Shadowfax / Shadow Dance
メンバー
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Greg Stinson (G)
Chuck Greenberg (Lyricon,Sax,Flute)
Phil Maggini (B)
Stuart Nevit (Dr)
Jared Stewart (Key)
Jamil Szmadzinski (Violim)
収録曲
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1.New Electric India
2.Watercourse Way
3.Ghost Bird
4.Shadowdance
5.Brown Rice/Karmapa Chenno
6.Distant Voices
7.A Song for My Brother
中学生の時、ふと FM ラジオで聴いた不思議な曲。
アコースティックギターとフルートが奏でる得も知れぬ音楽世界。
ファンタジック?
いや違う。
リラクゼーション?
当時はそんな言葉も概念もなかった。
不気味?
ん… ちょっと近いかも。
何でしょうね、未だにうまく言い表すことができません。
Watercourse Way という曲です。
当時のライナーからの曲目解説を引用すると:
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12 弦ギターの素朴な美しさにあふれた響き、リリコンの透明感あふれる清澄な音色が融け合ってファンタジックな音世界が広がって行く。
アコースティックピアノとフルートのからみは、どこか東洋的なイメージすら与えるし、よどみのない音の流れは刻一刻と変化する色彩感あふれるサウンドの渦となって魅了する。
(解説=山口弘滋/ Oct.'83)
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う~ん…
いや、そうなんだけどね。
私がこの曲を聴いて思い浮かべた情景は、薄暗い森の中、濃淡のブルーの世界を歩いていて、足下にはやたら清冽な小川の流れ。
でもせせらぎの音はしない。
木々のふれる音や自分の足音も聞こえない無音の世界。
やがて前方にほのかな明かりが見えてくる。
そこが自分の家なのか、あるいは目指す目的の場所なのかはわからず、それが何なのかすらもわからない。
そこに行くべきなのか、あるいは回避すべきなのかの材料も持たず、でも足は無音のまま進んでいく。
こんなイメージです。
わからないでしょ。
自分でも何言ってんだかよくわかりません(爆)
曲自体はカセットテープに録音して、何回も何回も聴いてました。
あのころは FM に流れる曲を片っ端から録音して、バンド名や曲名もわからないままひたすら聴いてたもんです。
そういうテープも引っ越しやら何やらでいつの間にかなくしてしまいましたが、ただこの曲だけは頭の中に棲み続けてました。
数年後のある日。
特に買いたいレコードもないのに、何気なくレコード屋に入り、ラックの一番前にあった知らないバンドの LP を手に取り、曲目を読んでいたら…
ありました…
Watercourse Way …
別に探していたわけではないし、買えなきゃ買えないで、そのまま忘れてしまっていたろうし…
しかし何かに惹かれるように、そのまんま手に取った LP がそうであったとは。
何か運命的なものを感じましたね。
家に持って帰る途中、初めて聴いた時の、あの何とも言えない不安感がよぎり、わくわくどきどきで針を落としたのですが…
残念ながらあの FM で聴いた曲とはアレンジが変わってました。
特に一番覚えていたギターソロの部分が凡庸なソロに変わっていたのには、ほっとしたと言うか、残念と言うべきか…
このバンド Shadowfax は当時流行っていたいわゆる環境音楽の旗手として注目されていた Windham Hill の一員で、主宰者のウイリアム・アッカーマンとかピアニストのジョージ・ウインストンのアルバムも、当時私の音楽的生育に限りない貢献を果たしたレンタルレコード屋・友&愛から借りてきて聴きました(笑)
しかし当然のごとく、 Watercourse Way のように適度な不安感を与えた曲は、このアルバムにしても、他のアーティストのアルバムにしても皆無でしたね。
当然と言えば、当然です。
そんなわけで、このアルバムは当部屋のコンセプトとはちょっと離れているのですが、まぁ自分の WEB サイトだし、何でもいいや、というわけで載せてみました。