Zure Zure 日記

瑣末な日常を Zure た視線でやぶにらみ

独り寝

たいてい添乗員の部屋というのはシングルです。

これは別に連れ込んじゃうとか、そんなことをするためではなく、何かトラブルがあれば徹夜の時もあるし、そうでなくともお客さんから電話がかかってきたり、その日の精算やレポート書いたり、と遅くまでバタバタしているためで、よっぽど特殊な事情がない限りお客さんと同室なんてことはありません。

  

ホテルの部屋というのはツイン、つまりひとつの部屋にベッドがふたつ置いてある部屋がほとんどなんですが、もちろんシングルルームもあります。

  

国内添乗の場合は、ピークシーズンなど布団部屋みたいなとことか、

いわゆる

「出る」

部屋に入れられちゃうこともままあるようですが、私の場合はほとんどが海外でしたので、そんなこともなく ( 「出る」 部屋だったことはあるかも知れませんが)、お客さんと変わらない部屋です。

もっともヨーロッパの昔の城を改装したホテルなんかの場合は、一番条件の悪い部屋になることはありますけどね。

  

1 日の仕事が終わって、自室に引き上げてきます。

お客さんからの電話に対応し、レポート書いて精算して、さってシャワーでも浴びるか、という段になって、おもむろに自分のスーツケースを開けるわけですけど、私、実は腰痛持ちなんです。

下に置いてある重いものを持ち上げる時には、特に注意が必要で、添乗中に添乗員がぎっくり腰で動けません、なんてシャレにもなりません。

  

ですんで、自分の部屋がツインの場合は、片方のベッドの上にスーツケースを置いて、それでぱかっと広げて、着替えやら洗面道具を出したりするんですが、困るのはベッドがひとつしかない、ほんとのシングルルームの場合です。

ビジネスホテルのベッドのようにちっちゃい場合は、必要なモノを出してから、またそろーり、そろーりと下に下ろすんですけど、同じシングルでも、キングサイズやクイーンサイズあるいはシングルじゃなくダブル、つまりダブルベッドが真ん中にでーんと置いてある場合は、スーツケースを広げても、人間ひとりが横になれるぐらいのスペースができるんですよね。

  

んで、私はその隙間に寝ます(爆)

自分で言うのもナンですが、私は非常に寝相がよく、寝返り打つときも、体の中心を軸に回転してるみたいですので、専有面積は常に一定です。

ですので、ベッドの三分の二をスーツケースさんがお休みになられ、寝台列車ほどのスペースしかなくても、全然平気で寝ちゃうんですね。

非常に便利です(哀)

 

って言うか、あんまり広いベッドに一人で寝る、っつうのは何か落ち着かないっつうか、そういうのを称して貧乏性と言うのか、わかりませんが、とにかくそうなんです。

普通、でっかいベッドだったら、堂々と大の字になってグースカいきたいとこですが、私はそれをやっても、徐々に端っこに移動してしまい、ベッドから墜ちるか墜ちないかのぎりぎりのところで寝てます。

我ながら、せせこましい奴だと思います(狭) 体はでかいのにネ

  

んで、翌朝、スーツケースをベッドから下ろすと、もともと糊の効いたぴちぃーんとしたシーツの上にさらにスーツケースという四角いモノが一晩中重しをかけてたわけで、なんかもうこれ以上はないってぐらい、平らになっちゃって、ぬりかべが寝てたみたいです。

んで、そのベッドの端っこ三分の一ぐらいのところだけの毛布が持ち上がってて、しかも体を軸に回転してたわけですから、トンネルみたいな感じになってます。

   

これ、かなり変です(爆)

   

掃除にきたメイドのおばちゃんとか、

「なにこれ」

みたいに思うでしょうね、きっと。

  

まれに、予約しているホテルがオーバーブッキングとかそんなんで、お客さんの部屋数はあっても、添乗員の部屋がないときがあります。

そんな時、

「スウィートなら空いている。スタンダードルームと同じ料金でいいから、今晩だけそこに入ってくれ」

みたいなことを言われる時があります。

  

たいていこういう時は、お客さんの中でも一番偉い人にそのスウィートをゆずったりするんですが、ホテルに着いたらまずはお客さんに先に部屋に入ってもらい、添乗員の部屋なんてあとまわしですから、やっと添乗員部屋でスウィートが出てきた時には、すでにその人はシャワーなんか浴びており、

「ありがたいけど、もう面倒くさいからいいよ」

みたいなことになります。

わたしゃ自分の金でスウィートなんて泊まったことないですけど、こんな感じでスウィートに寝たことは何回かあるんですね。

   

一般にスウィートというのは、ベッドルームの他にリビングがあるわけで、ベッドもでかく、浴室もシャワーブースが独立してたり、バスタブがすげーでかくてジャクジーがよく効いたりと、まぁいい部屋です。

そこにひとりで寝る、っつうのもね…

とは言っても、どーすることもできないので、あ、ホントです。

決して夜の街に出てったりなんてしないヨ。

ホントダヨ ヽ(^^; ナンデイキナリカタカナニナルノ ヽ(^^; ッテ、アンタモヨ

  

そんな時も、スーツケースは当然のごとくベッドの上です。

んで、毛布はトンネル状態です。

リビング、つったって、そこで商談するわけでもなし、せえぜえ灰皿に吸い殻が転がってるぐらいですわね。

ほんと、もったいないです(爆)

  

飛行機に乗ると、すぐ寝ちゃう人っていますよね。

男性よりも女性の方に、そういう人は多いような気もしますが、私は飛行機だと眠れないんです、これがまた。

飛行機が怖い、という根本原因もあるんですが、全然揺れない快適な飛行でも、どうも眠れません。

  

アジアなんかに行く時は、せえぜえ数時間ですから別にどぉってこともないですけど、アメリカ特に東海岸直行便なんかは、けっこう辛いモノがあります。

まぁ文庫本とか PDA とか、機内映画を文字通り腰すえて見たりとか、狭いエコノミーのシートで、もじょもじょ十数時間を過ごすわけですが、けっこうまわりには熟睡してる人、多いですね。

  

真底うやらましいわ。

  

ほんと、後頭部のあたりに起きる時間がセットできるタイマーでもつけたいです。

   

ただ長距離飛行には時差というやっかいなものがありまして、いくら日本時間で夜でも現地は昼なわけで、夜日本発の飛行機でぐうぐう寝ちゃぁ、現地について辛い目に遭います。

時差克服には、出発の機内から時計を目的地の時間に合わせて、現地時間で生活するのがいいみたいです。

  

日本からアメリカに行く場合、感覚的には一晩徹夜するわけですが、これ私なんかにはちょうどいいですね。

どうせ寝られないんだし(笑)

現地に着いた直後はつらいけど、まさかお客さんの前で居眠りもできないし、ベッドの端っこでくるくるまわりながら寝るころには眠気はピークに達しており、あっと言う間に熟睡、おかげで翌朝は現地時間の通りに起きられます。

  

ただ一度だけ、ニューヨークからの帰りでしたが、そのツアーは特に問題もなく、とっても順調にいきました。

もちろん疲れてはいるわけですけど、トラブル続きで疲労してるわけでは決してなかったんですよね。

  

にもかかわらず。

帰りの飛行機の席に座った途端、眠りこけてしまい、眼が覚めると 1 回めの機内食でした。

 

私の特技のひとつに、起きた直後でも何でも喰える、というのがありまして、起きた直後に枕元で焼き肉焼かれてても、コンマ何秒で喰えます(爆)

ですんで、すぐに機内食を食べ、で、その機内食が片づけられないうちに、また寝ちまったようなんですね。

  

次に気が付いたのは 2 回めの機内食の時(爆)

1 回めの時の繰り返しで、食べ終わるやいなや寝てしまい、気が付くと飛行機は成田空港の滑走路に着陸したところでした(笑)

  

結局、ニューヨークから喰っちゃ寝、喰っちゃ寝の繰り返しで十数時間過ごしちゃったわけで、後にも先にも、こんなことは初めてでした。

苦手な飛行機で、しかも格別の苦労があった添乗でもなかったのに、なぜなんでしょう…

 

あとからお客さんから聞いた話では、あんまり私がこんこんと眠るので、スチュワーデスが心配して何回か見に来たそうです。

それで食事の時にはきっちり起き、しかも残さずきれいに喰っちまうので(爆)、

「なにこいつ」

みたいに思われたんだろーなぁ  -y(; ̄∀ ̄)。o0 ○

  

ホテルのメイドといい、飛行機のスッチーといい、まともに見られたことのない私です。