Zure Zure 日記

瑣末な日常を Zure た視線でやぶにらみ

中国添乗

久しぶりに中国に行ってきました。

もちろん 「添乗」 で(笑)



7 月 4 日から 8 日まで、中国の名山のひとつとして名高い 「廬山」 と、陶磁器の都・「景徳鎮」 に行ってきました。

一言で言うと、今回の添乗は 「酷暑」 と 「豪雨」

中国に着いた初日は 35 ℃、んで翌日から 38 ℃、 39 ℃と、もうカンベンしてほしかったっす(暑)

ツアー前半はこのような酷暑でありましたが、後半は 「豪雨」



バスで高速道路を移動中に、前方にわかにかき曇り、

「こりゃぁ一雨来そうですネェ」

などと言っていたら、ホントに来た(笑)



んもー スゴかったっす。

日本でもこんな雨はお目にかかったコトがないくらい。

排水などはカケラも気にしちゃぁいネェ 中国の高速道路。

あっ! という間に道路全体が濁流と化し、バスは徐行と停車の繰り返し。



オマケに垂直に落ちる落雷が、どんどこ落ちまくり、あたりは昼間なのに数メートル先も見えない暗闇の中、ものスゴイ稲妻があちこちで どかーん どかーん と(恐)

この悪天候のためか、翌日の飛行機は遅れに遅れ、結局飛行機が飛んだのは日づけが変わったコロでした(笑)



とまぁこんなんで前半は汗に濡れ、後半は雨に濡れた日々でしたが、まぁ全体としては順調にいったっす。



バブル経済真っ盛りの中国ですから、行くたんびに変わっており、昔のように月 2 ~ 3 回ぐらい行ってた時でも、



「ああ! あんなところにこんなビルが!」

とか

「おお! こんなところにあんな店が!」

とか

「むむ! あんなにカワイイ子が!!」

とかってあったワケですが(笑)、今のように年に 1 回ぐらいしか行かなくなると、その驚愕の度合いも高まる、っつうコトで。



でもまぁ 日本もバブルのころは実体のないカネあまりにみんな狂奔してたワケですが、中国もその例にもれないのかな… などと思うっす。

まだまだ経済基盤は脆弱ですよネ。

北京や上海、広州といった大都市や沿海部の都市の発展は本当に目を見張るばかりですが、それは 「点」 であって、決して 「面」 ではない。

当面の課題としては 「点」 を徐々に拡大し、それを隣接する点にくっつけて更に大きな 「面」 を、というコトなんでしょうが、圧倒的大多数である内陸部の農村地帯や北西部の山岳地帯など、私が中国に行き始めた 20 年前と何ら変わってないところもたくさん。



故・鄧小平曰く

「条件のあるところから豊かになればよい。豊かになったところが貧しいところを引っ張ればよい」

と。



「白だろうが黒だろうが、ねずみを取るのがよい猫だ」

との発言もある鄧小平らしい、ある意味合理的な考え方で、確かにこれは正論なんだと思います。

しかし国内での経済・所得格差がここまで広がってくると、労働人口の盲目的な流入を生みます。

つまり仕事がある北京や上海のような大都市に、地方からの出稼ぎ労働者が集中するワケですネ。



ビル建設現場など、ブルーカラーの労働場所はいくらでもありますが、その労働・生活条件たるやヒドイもんです。

住む場所はレンガなどの掘っ建て小屋に近く、衛生条件も悪い。

しかも労災などはないので、建設現場など危険な場所で働く人たちにはなんの補償もありません。

つまりケガしたり、病気して働けなくなったらそこまで、なんですネ。



日本では差詰め 「ホームレス」 というところなんでしょうが、何せ日本の 10 倍の人口を抱える中国のこと。

今、日本にどれだけの 「ホームレス」 と呼ばれる人がいるのかは知りませんが、仮に 5,000 人としたら中国には 50,000 人のホームレスがいるワケで。



しかしこんな危険な場所でも職にありつければ、まだいい方です。

大都市の駅前には仕事を求めて来たものの、まったく職がなく、行くところもないのでそのまま駅前で寝起きしている 「就職予備軍」 いや、 「ホームレス予備軍」 か… が、たぁ~っくさんいるっす。

政府の強権発動は日常的な共産主義国家の中国。

それこそ無理矢理この連中を追い出すコトもできるんでしょうが、でもそれでは何の解決にもならないですよネ。



どこかのテレビの街頭インタビューで、

「中国は大国だから」

と堂々と言っている中国人がいましたケド、いわゆる 「大国」 となるためには、まだまだ越えなければならないハードルはたくさんあるような気がします。

もちろん、日本やアメリカだってそうなんですけどネ。



2008 年の北京オリンピック

それこそ 「国家の威信」 をかけて、それはもー すんごいコトになるんでしょうが、 「国威発揚」 のカゲに、何の補償もない出稼ぎ労働者の血や、完全に閉ざされた将来しかない大多数の地方農民たちの涙があるとしたら、それは実に悲しいコトで。



共産主義社会主義なんてのは机上の空論であり、人間自体がもっと精神的に成長しないと実現なんてムリなワケでして、マルクスと並ぶ共産主義の泰斗・レーニンのことばを引用するっす。

レーニンの自著 「国家と革命」 にて曰く

共産主義の実現のためには 社会全体が無限の富を生み出す経済的基盤が必要であり そこに暮らす人々が報酬を得るためではなく 労働すること自体が生きる目標である と認識した時、はじめて共産革命は為る」(大意)



もしレーニンのこのことばが真実なのであれば、今の中国は 無限の富を生み出す経済的基盤 を為そうしている過渡期であり、ここからバブルが弾けるように経済発展が停まってしまわないように、もしそうなったら次に来るのは政府の強権政治であり、文化大革命でその怖さを心に刻みつけている中国人たちに、そんな災いが再びふりかかるようなことがないように。



アタシャ祈るっすヨ。