ZureZure 日記

瑣末な日常を Zure た視線でやぶにらみ

最近つくづく本を買ってない。

長い通勤時間を課せられているワタシにとって、文庫本と PDAiPod は 「通勤三種の神器」 なワケだけど(哀)、新しい本はホントに買ってないなぁ…



会社が新宿のド真ん中にあったころ。

会社が入っているビルの 1F が本屋だったんで、帰りには必ず寄ったもんですが、会社が今の場所に移転してからは駅前の本屋もつぶれちまい、手軽に本屋に行けなくなったという理由もあるのだが、それ以上に欲しいと思える本がないんですワ。



直近で買った本と言えば、陳舜臣さんの 「孫文

ワタシはこの人の一連の作品が大好きで、 「中国史は人間の歴史」 という観点から書かれた 「小説十八史略」 などはボロボロになるまで読み、今でも時たま読み返してます。

「中国史は人間の歴史」 という意味は、人間の歴史は即ち中国の歴史なのだ、といったような傲慢なものではなく、 「歴史の主人公は言うまでもなく人間である。見よ、この中国史における人間臭さを」 といった、あくまでも人間が主体であり、人間なしでは歴史は語れないという、当たり前といえば当たり前ですが、そうした歴史を見る上での原点を明確に教えてくれる作品だからです。



もともと陳舜臣さんは推理小説でデビューしたようですが、中国史を扱った作品群はほとんど持っちょります。

阿片戦争」 などは中国の激動期を肉厚なタッチで描いた大作であり、また 「秘本三国志」 は、蜀漢劉備玄徳を正統とする、一般に語られる 「演義系」 の三国志に対して、魏の曹操を中心に据えた 「正史系」 が底本となっており、三国志では一番読まれているであろう、劉備を正統とする吉川英治さんの 「三国志」 を読み終わってからこの作品を読むと、同じ話でもここまで違う作品が書けるのか、と畏敬の念さえ覚えます。

特に三国志後期の英雄である諸葛孔明と彼のライバル・魏の司馬懿が戦った 「五丈原の戦い」 では、陳舜臣さんの実に作家らしい解釈に唸りました。

この解釈は史家などの間では定説なのかも知れませんが、初めて触れた時には作家という一部の限られた人たちが持っている感性の豊かさや強靱な想像力に圧倒されました。



また大食漢ユニット・傾店屋の相棒である華ちゃんから強烈に薦められた浅田次郎さんの 「蒼穹の昴

どうもアタシャ喰わず嫌いのところがあって、 「流行作家の本」 っつうのは読んだコトないんですが、華ちゃんがここまで薦めてくれるなら読んでみよう、と。



で…

あっと言う間に読んでしまいました(笑)

この作品も同じく、歴史上の人物の実に斬新な解釈、特に西太后の人物像にはこれまた唸ってしまい(笑)



西太后と言えば中国史上に残る悪女として有名ですが、自らを悪女に貶めることで愛する清朝を救おうとする西太后像は非常に斬新でした。

国史をまったく知らない人がこの作品を読んだら、絶対西太后は悲劇の、また究極の愛国女性君主、言うなればジャンヌ・ダルク(彼女は君主じゃないけどネ)のような印象を持つことでしょう。



またワタシが好きな作家としては、この前惜しくも亡くなられた吉村昭さん、作品がいろいろな形で映像化された山崎豊子さん、また緻密な構成力と徹底的な取材で知られる柳田邦男さんなどが挙げられますが、この方たちに共通して言えるコトは、いずれも綿密な取材で培われた事実を細部に渡って作品に組み込むコトで作品自体に非常に大きな重みと厚みを与える、というコトではないかと。

そこには人間としての営みや様々な運命に翻弄される人たち、また人間の持つ強さや弱さ、はかなさや愛おしさなどが如実に現れており、人間を描くことが作家にとってはやはり永遠のテーマなのかと思わせます。



って…



何を三流評論家みたいなコト書いてんでしょーか、オレ…(笑)



最近、本を買ってないっつう話でしたネ(笑)



本を買うというのは、一種冒険だと思うワケですヨ。

つまんない本だったらヤだし、逆にいい本と巡り会えた時は本当に我と時間を忘れるほどだしネ。



その 「冒険」 をする元気がなくなったのかも知れない。

っつうか新しいものに触れようとする時はある種の勇気が必要なのかも知れませんが、そうした勇気も持てなくなってきてるのかも知れない…



何だか生きる気力を失いそうですが…(爆)



もうひとつのファクターとしては、過去に読んだ本を読み返すコトで新たな発見をするコトがままある、っつうコトです。



だいたいワタシの場合、十聴いても六ぐらいしかわかんないで、映画とか見ても一回で内容を把握することはほとんどなく(笑)

何回か見て、初めて 「こーゆーコトだったのかぁ~」 と納得できるという。

だから映画館ではほとんど見ません(笑)

レンタルばっかり(笑)



それと同じく、最初に読んだときは勢いで読み飛ばしてしまい、それを後から読み直すことで 「こーゆーコトだったのかぁ~」 と納得できるワケで(笑)



そうやって読み返してみると、先ほど挙げた一連の作家の方々の作品などは、読み返すのにまさにドンピシャだったりします。



ずいぶん前に買った本だとページが黄ばんじゃったりとか、鼻くそなんかこびりついてる(笑)こともありますが、 「次は何読もうかなぁ」 と本棚を眺めているのは結構楽しかったりします。

もっともそんなにたくさん本持ってるワケじゃないんですけどネ(笑)



好きな作家のひとりであった吉村昭さんの訃報に接したのは、つい最近のこと。

それから彼の作品をずっと読み返してますが、今は 「漂流」 を。



次は 「零式戦闘機」 「戦艦武蔵」 などを読み返そうかと思っちょります。



安上がりでいいやネ(笑)