4 ~ 5 年ほど前に、某団体から中国・タクラマカン砂漠を自転車で一周する企画が持ち込まれたコトがある。
その時の企画書である。
何せ場所が中国ということで、社内では中国をイヂれる(笑)ヤツはオレしかおらず、必然的にオレが担当することになった。
当時は自転車にはまったく興味がなく 「自転車で走る」 ということが一体どういうことなのか、皆目見当もつかない状態だった。
まぁ今でも 「自転車で走る」 ってコトが、よくわかってないのだが(笑)
なのでサイトでいろいろと情報を漁ったり、実際に走った人の手記を読んだり、また JCA にも話を聞きに行ったんだよネ。
まだ JCA の方の名刺も残ってた。
タクラマカン砂漠とは…?
タクラマカン砂漠(塔克拉瑪干沙漠)とは中央アジア、中国の新疆ウイグル自治区にある砂漠である。語源は、ウイグル語の「タッキリ(死)」「マカン(無限)」の合成語と言われ、「死の場所」「死の世界」といったニュアンスとされる。「生きては戻れぬ死の砂漠」という意味が有る。 |
(出典:Wikipedia)
恐ろしい…(笑)
ここを自転車で一周しようというワケか…
まったく自転車なんぞに乗ってる連中の気が知れん…(爆)
タクラマカン砂漠を通る主要道は、次の 3 本がある。
すなわち
○天山北路
○天山南路
○西域南道
いずれも 「シルクロード」 の主要道路である。
この企画は天山南路と西域南道を使って、タクラマカン砂漠をぐるりと自転車で一周しようというのである。
プロットの仕方にもよるが、一周約 3,000km
毎日休みなく 100km 走ったとしても、 1 ヶ月かかる距離であり、土地の気候や風土、旅行条件などはわかっていても、何せ 「自転車」 なので、どうやって日程を作ったものか、頭を抱えてしまった(笑)
ファイルの中には、当時 JCA に話しを聞きに行った時のメモも残っていた。
道路は舗装されてはいるものの、いわゆる 「砂漠」 なので、やはりロードバイクではムリだろう、となると MTB かと。
その場合、個々人の体力や経験にもよるが、夏の砂漠地帯を MTB で走るなら 1 日あたり 50 ~ 60km ぐらいの走行距離が無難ではないか、と。
自転車のジの字も知らなかったオレは 「1 日そんなに走れるのかナァ…」 と首をかしげたものだったが、自転車のシの字程度を知った今(「ジ」じゃなく「シ」なんです。つまりまだ濁点を含めるまでの知識がない、っつうコト・笑)となっては、そんなモンすかネェ… と。
確かにロードバイクで走るなら、 1 日 50 ~ 60km なんて、かえって欲求不満になりそうだ(笑)
でも夏の砂漠地帯、日本のように完璧な舗装状態ではないことなども考えると、やはり納得のいく距離ではあります。
しかし実際問題として、 3,000km を 50km/per day で走っていたら、 2 ヶ月もかかってしまうので(笑)、この辺は緩急つけてバス移動との併用とか、そんな風にしなきゃならんだろう。
というワケで、こんな日程を作ってみた。
基本的に所定距離を走ったら、あとはバス移動。
たぶん 「モノ足らん!」 と言われるだろうが、先は長いし、砂漠の真ん中で落後されてもシャレにならんので、「旅行会社が提供する商品は 旅行 であって 冒険 ではない」 をコンセプトに(笑)
もちろんお客さんだけで行かせるワケにはいかないので、日本からの添乗員、現地ガイド、同行する現地医師、そしてバスとトラックのサポート隊なども検討。
これで 25 名参加にて 40 万ちょいの見積もり額だった。
これが高いのか、安いのか、はたまた適正価格なのかはわからんが、やはりお客さん側からは 「高い」 と。
だが何よりも安全を優先しての金額だったので 「冒険」 ではなく 「旅行」 にする以上は、こちらも歩み寄る限界があり、この企画はポシャってしまった。
結局、別の旅行会社にて、オレに言わせれば、かなり 「冒険」 に近い内容で実施したそうだ。
大きな事故もなく、無事に終わったそうだが、これはあくまでも結果論であって、安全最優先というオレの考え方は今でも正しかったと思っている。
だから儲からないんです(笑)
しかし…
これ、いいよネ(笑)
今のオレだったら、趣味と実益を兼ねて、ホイホイ乗っちまいそうな企画である(笑)
どっか、こういう団体がないですかネ。
添乗員自身も自転車でご一緒しますケド(笑)