Zure Zure 日記

瑣末な日常を Zure た視線でやぶにらみ

トライ

首が痛くて自転車に乗れなかったので(笑)、 Amazon でビデオを見ていた。



「Friday Night Lights」

邦題は 「プライド 栄光への絆」

もうコレだけで、どんな映画なんだか、だいたい想像できる、ってなモンである(笑)



2004 年のアメリカ映画で、アメリカの小さな街のハイスクールフットボールチームの物語。

まぁストーリー的には、可もなく不可もなし、であるが、街の人たちのフットボールにかける気合というか、意気込みというか、執念というか、入れ込み用にはかなり引いてしまう。



言ってしまえば、高校生の部活動(笑)

確かに試合である以上、勝つことは最大の目的であるが、ここまで過度な期待や言動を寄せられると、まだ少年の域である高校生には相当なプレッシャーだと思うんだけどネ。

もっともそれをはねのけて、強い男になって勝利をモギ取れ! ってのがアメリカンなのだろう(笑)



対象的なのが日本の高校野球

勝つことが重要な要素なのは同様だが、勝利と同等、もしくはそれ以上に重きを置かれるのが 「過程」 かと。

日本の部活動は、人格形成という側面も持たせているからそうなるのだろうが、典型的だったのは、この夏の甲子園



秋田の地元の子たちだけの金足農業高校が、好投手吉田君を軸にあれよ、あれよという間に勝ち上がり、気がつけば二度目の春夏連覇に挑む、超が付くぐらいの強豪校、大阪桐蔭との決勝戦

結果はご存知の通りだが、偉業を成し遂げた大阪桐蔭がすっかり霞んでしまった。

ま、いかにも日本人が好む展開であり、オレももちろん、その展開に酔いました(笑)



話はいつものように横道にそれるが(笑)、甲子園での応援はもっと公平であるべきだと強く思った。金足農業を応援する気持ちはよくわかる。しかし、あれでは大阪桐蔭の選手たちがかわいそうだ。自宅で見てるなら好き勝手にすればいいが、両校の選手たちが自分を出し切るギリギリの試合をしているのだから、あまりに判官びいきな態度は、厳に慎むべきだと思う。




そんなワケで、アメリカ人の単細胞さを存分に味わえるこの映画であるが、どうにも気になる点があった。

それは字幕の訳が、あまりにヒドかったコト。

もちろん、アタシャ英語なんて、これっぱかりもわからないので ヾ(^^;ホントニ添乗員ヤッテタノカヨ フットボールの用語についてである。



ヘッドコーチが選手に指示を出す。

「パント攻撃だ!」



いや 「パント攻撃」 って(笑)

確かにパントはオフェンスプレーのひとつではあるが、失地回復し、次の敵チームの攻撃を少しでも不利な地点から始めさせよう、というのが目的だから 「攻撃」 ではないのである。



この他にも、首を傾げざるを得ない訳(首が痛いんだから、かしげさせるな! っての・笑)や、思わず苦笑する訳が続出し、この点は大いに楽しめた(笑)



が、もっとも呆れてしまったのは…

試合展開を熱のこもった口調で実況中継するラジオのアナウンサー。

そして絶叫。



「決めました! バーミアン高校パンサーズ トライ!!」



(爆)



ラグビーじゃねぇヨ。

アメリカンフットボールだヨ。

「トライ」 じゃなくって 「タッチダウン」 だろ。



これ誤訳なんだろうか。

あるいは訳者が 「タッチダウンって一般的なことばじゃないから、もっと一般的なトライって訳しちゃおう」 とかって思ったのか。



前者なら勉強不足も甚だしい。

後者なら、これは意訳ではなく捏造であり、訳者失格である。



オリジナルのセリフは 「タッチダウン」 と言ってるハズだし 「タッチダウン」 という言葉自体も、とっても普遍的な表現だと思うのだが、なんでこうなってしまったんだろ?



Amazon の、この映画のレビューを読んでも、この点に触れているのは皆無。

見ている側にとっては、トライだろうがタッチダウンだろうが、そんなことはどうでもいいのだろう。

オレもよくルールがわからないスポーツをモチーフにした映画を見たら、絶対にそうなる。



だけど、これではぶち壊しです。

このトライの一言で、映画全体が空回りしちゃったように思えたのは事実。

ま、こんなコトでこんな風に感じちゃうオレも、どうにかしてるんだろうが…