Zure Zure 日記

瑣末な日常を Zure た視線でやぶにらみ

未曽有の国難

まさしく未曽有。

まさしく国難



地震発生以来、どんどん拡大する被害に唖然。

阪神淡路大震災の時と同じだ。



あの時。

女房が初めての子の里帰り出産でクニに帰っており、阪神淡路大震災に遭遇した。

「デカい地震があったんだナァ… さぞびっくりしたろうナァ」 などとのんきに構えていたオレだったが、夜が明けるにつれ、時間が経つに連れて大きくなる被害に呆然。

電話はつながらず、女房からも連絡がない。

あの時の身を切り刻まれるような焦燥感。



それが今度は東北で繰り返されている。

観測史上最大規模の地震

凶暴な爪を剥いた悪魔の津波

予断を許さない原発事故。



家族を失い、家を失い、何もかも失い立ちすくむ人々。

どこから手をつけていいのかわからない瓦礫の山と瓦礫の海。

そして、これから増え続けるのであろうご遺体。



そんな中で俺は正反対の事象を垣間見たような気がする。

「評論家」 や 「解説員」 あるいは 「専門家」 と呼ばれるセンセイ方。

後付で 「後手後手にまわっている」 とか 「~と、ここまでやって初めて正しい対応と言えます」 とか 「情報が整理されていません」 とか、そうやって非難するのはやめませんか。

誰もが経験したこともないような、未曽有な大災害の真っ只中で、平和時に作られた緊急対策マニュアル通りには決して進まない、誰も想定していなかったような事態の中で、分秒刻みで最善の結果を引き出すべく努力を続けている人たちがいるのです。

その人々の引き出した結果には、おそらく後手後手にまわってしまったり、正しい対応とは言えない中途半端な結果であったり、情報が整理されていないことも多々あるのも事実だろう。



しかし。

それは今、この時点で言うことではないのでは?

ワケ知り顔で、揚げ足を取るように枝葉末節のことを言いつらい、それで出演料をもらって帰っていく 「評論家」 と 「解説員」 と 「専門家」 のみなさん、今はそんなことを言ってる場合じゃなくて 「評論家」 であり 「解説員」 であり 「専門家」 ならば、現場が唸るような適切なアドバイスをすべきではないですか。

あ、出演料もらってテレビ出てるんだから、そんなヒマもないですか。

あ、もとより口先で生きてるんだから、そんな能力もないですか。



「報道」 という美名、大義名分、錦の御旗のもと、非人道的な無神経さで被災者の方々を逆撫でしている 「報道」 各局。

涙も枯れて立ちすくむ被災者の方に 「今のお気持ちは」 って、マイクを向けることはやめませんか。

被災者の方々のお気持ちは、みんな誰もが大なり小なりわかっているものです。

もう静かにしてさしあげませんか。



ボランティアのみなさん。

あなた方の崇高な奉仕の精神が、どうか正しい方向で、被災者のみなさん方が望む方向で遺憾なく発揮されることを願っています。

以前に何かで 「まず行くことが大事だ。行けば必ず役に立つことがある」 と、先駆けて現地に駆けつけることの重要さを示した文章を読んだことがありますが、今はその時ではありません。

自らを守る術を知らない素人が行ったところで、本来被災者が口にすべき食料をあなた方が食べ、被災者が休むべき場所であなた方が眠り、被災者がまとわなければならない毛布であなた方が暖を取ることになるのではありませんか。



早くも、どこかの学生ボランティアが被災地に向かった、と耳にしたけど、阪神淡路大震災の経験者曰く 「もっともありがたかったのは自衛隊で、もっとも迷惑だったのはボランティアだった」

もちろん、かなり極端な例だと思うケド、でもそうなってしまっては、あなた方の崇高な精神が死んでしまいます。

くれぐれも英雄気取りで、あるいは 「被災者の方々を救うのダ!」 みたいな一種の優越感を持って乗り込まないようにしてほしい。



「これで日本には原発が不要であることが証明された」 との皆さん。

俺には全然証明されてないように思えるんですが、俺って頭悪過ぎですか。

むしろこの事故によって、原発が日本のエネルギーを支える上でいかに重要な役割を果たしてきたか、それが浮き彫りになったと思えるんですが。

まぁこれについては、俺もあなた方の言い分はある程度わかるような気もするし、散々言い尽くされたことでしょうから、多くは語りません。



しかし。

「これで日本には原発が不要であることが証明」 され、明日から全国の原発が一斉に操業停止。

だって 「不要であることが証明」 されたんだから。

そうなったら、おそらく日本はその日のうちに破滅するでしょうね。



でもです。

でも。

俺は一筋の光明を見出す思いがしていることも事実で。



黙々と任務に励み、すでに1万人を越える人々を救出した自衛隊の隊員諸氏。

あなた方の活躍には本当に頭が下がる思いであり、どうか世間一般も自衛隊のこれまでの行為に対して正当な評価をしてほしいと思う。



自衛隊とは確かに軍隊である。

敵を殺傷する武力を持ち、高度に組織化され、制服を着用して統一行動を行うのであるから、これはどう見ても軍隊である。

屁理屈で 「軍隊」 ではなく 「自衛隊」 とされているだけ。



寡聞にして、俺は今まで自衛隊が有事の際に軍事行動を起こしたことを知らないが。

言い換えれば、自衛隊がその武力を持って敵を殺傷したという事実を知らないのだが。



今までひとりも殺傷したことがなく、逆に何万人もの命を救った軍隊が自衛隊なのでは。

もう自衛隊を私生児扱いするのはやめませんか。

俺はむしろ自衛隊は 「平和国家日本」 が 「大きな誇り」 とすべき存在だと思うのだが。



次々と到着し、援助の手を差し伸べてくれる各国の救援隊。

反日の感情が強いとされる韓国が真っ先に救援隊を派遣してくれた。

同じく中国も 「四川大地震の恩を忘れるな」 と救援隊を送り込んでくれた。

領土問題では緊張状態にあるロシアが 「それとこれとは別だ」 と救援隊を、そして天然ガスの大規模供給を約束してくれた。

自国の傷も癒えていないのに、救援隊を派遣してくれたニュージーランド

「Operation・Tomodachi」 を展開してくれるアメリカ。

そして続々と手を差し伸べてくれる各国。

また 「これまで日本は世界中に援助を行なってきた援助大国だ。今度は我々が全力で日本を援助する番だ」 と言ってくれた国連。



俺は素直に心からの感謝をしています。

みなさん、本当にありがとう。

一人でも多くの被災者を救ってください。

一人でも多くの被災者の力になってください。



そして政権の座にある民主党諸氏。

今回は菅総理よりは枝野官房長官の冷静沈着、抑制のよく利いた、的確な対応が光っていると思う。

露出度の差もあるのだろうが、テレビで見る度に 「この人、寝てるんだろうか」 と思えるほどの焦燥ぶり。



今回ばかりは野党も 「挙党一致」 で 「挙国一致」 であってほしい。

すでに自民党も、その体制でいるようであり、やはり災害対策では豊富な経験を持っている自民党諸氏は大きな力になると思うので、党の垣根を越え、まさしく超党派で 「国を憂う政治家」 としての任務を遂行してもらいたいと思う。



エラそうなことをつらつらと書いてきたが。

じゃぁ俺に何ができるのか。

身の丈に合ったことしかできないし。



仕事をして家族を守り、乏しい小遣いから貧者の一灯を差し出し、復興が見えた暁には東北産の品物を買う。

そんなことしかできません。

でも応援だけはしてます。



今こそ日本人の矜持を持って。

がんばろう! にっぽん!