ネットでニュースを読んでいたら、多発するソマリア海賊の被害に対して、麻生首相が海上自衛隊の派遣を検討するよう、防衛大臣に指示した、との記事があった。
12 月 27 日付け西日本新聞の朝刊だが、それを読んでちょっと違うのではないかと思った。
以下、同紙からの記事抜粋。
この海域で多発する海賊被害の深刻さや日本関係船舶の被害、
国連安保理の制圧決議を考えれば、日本が海賊取り締まりに
協力するのは当然だろう。
しかし、なぜいきなり海自艦派遣なのか。
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では、どうしろと言うのか?
海上自衛隊の他に海上で自国の船舶、自国民、自国民の財産を守ってくれる艦船があるのか?
自衛隊の海外活動にはさまざまな法的な制約がある。
派遣には納得いく説明と国会での慎重な論議が必要だ。
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もちろんそうだろう。
しかし 「ソマリア海賊から自国の船舶、自国民、自国民の財産を守る」 では納得できないのか?
そのうえで、日本が取り得る有効な手だてを講じるべきではないか。
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では何を以て 「有効な手だて」 とするのか?
闇雲に批判ばかりして、建設的な意見の提議が何ひとつとしてない。
これで読者は 「納得」 できるのか?
拙速な海自艦派遣は、慎重であるべき自衛隊の海外派遣の範囲を、
なし崩し的に広げることにもなりかねない。
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くどいが 「ソマリア海賊から自国の船舶、自国民、自国民の財産を守る」 ための派遣は 「なし崩し的」 なのだろうか?
こうした海外派遣をきっかけに 「なし崩し的」 に派遣が広がってしまった場合、それを阻止することこそが 「社会の公器」 たる新聞の役目なのでは?
貿易に依存する日本が手をこまねいているわけにはいくまい。
国際社会と連携して有効な海賊対策を急ぐ必要がある。
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「急ぐ必要がある」 からこそ、麻生首相は防衛大臣に検討を指示したのに 「拙速な海自艦派遣」 だと(笑)
政府は海賊対策のための新法を制定して海自艦船を
派遣する方向で検討に入っているが、
「ねじれ国会」の下では法整備に時間がかかる。
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これで法整備に時間をかければ、 「国際社会と連携して有効な海賊対策を急ぐ必要がある」 のに、いったい政府は何をやっているのだ、と攻撃するのだろう。
警護の対象が日本籍船や日本人が乗った船舶に限られるため、
外国船が海賊に狙われても警護できない。
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「海賊に襲撃されているのに、日本の軍隊は何もしてくれなかった」 とかってアメリカ船籍の船に言われたどーすんの…?
もう速攻でへこへこ頭下げるのではないか?
海賊に攻撃された場合、どこまで応戦できるのか。
武器使用基準もあいまいだ。
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前の記事とも併せ、そのような中途半端な、あいまいな位置に自衛隊を置いたのは、新聞社に代表される言論機関にもその責任の一端はあるのではないか?
もちろんオレも含めた国民ひとりひとりに責任があることは言うまでもないが。
本来、日本近海での危機に対応する目的で設けられた条項であり、
アフリカ東部のソマリア海域での長期の警備活動は
法の趣旨を逸脱するのではないか。政府内にも慎重論がある。
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順法精神は大事です。
しかし自国民が、自国民の財産が危機に瀕しているというのに、 「法の趣旨を逸脱」 するから 「政府内にも慎重論」 とは、いったい何のための法であり政府なのか。
ソマリア海賊に 「法の趣旨を逸脱しそうだから政府内にも慎重論がありまして… ちょ、ちょっと待っててくださいヨ」 とかって言うのか…?(笑)
浜田防衛相が海上警備行動に基づく派遣に慎重姿勢を見せたのも、
派遣しても的確かつ十分な任務遂行ができるかどうか、
疑問と不安があるためだろう。
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それもあるのだろうが、 「このまま麻生さんと心中なんてヤダかんネ」 っていう 「不安」 の方が強いんじゃない…?
日本には、かつてマラッカ海峡で多発した海賊行為を
海上保安庁が中心になった訓練支援や情報共有、技術提供などで
沈静化させた実績がある。
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日本は、かつてイラクの 「安全を保証された地域内」 のみの非軍事的活動で、大いに地域の復興、各国のテロ防止活動に協力した実績がある。
(爆)
自衛隊だけが何も国際貢献ではない。
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それはその通り。
しかし 「助けてくれ」 と助けを求める自国民に対して、 「わかった! 金利を下げるやるゾ!」 とかって言うのか。
「腹が減った」 という国民に対して毛布をかけてやるのか…?
何が今一番必要とされているのか、その辺も考えてみるべきでは…?
ソマリア周辺海域でも「初めに海自艦派遣ありき」でなく、
有効な国際協力は可能なはずだ。
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だから 「有効な国際協力」 のアイデアを出してみなヨ。
自分では何もせず、ただただ与党の攻撃だけしていればいい、ってのは 「社会の公器」 のやることですか?
それでも 「言論の自由の番人」 ですか?
ただ 「無責任」 なだけなんじゃないですか?
拙速は禍根を残す。
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巧遅は拙速に如かず
何度も言うようですが、オレは自民党のシンパじゃないし、自衛隊擁護論者でもありません。
しかし日本の国を守るのは日本人だけなのではないか、と思うワケです。
永世中立国のスイスでさえ、国民皆兵が国是であり、徴兵制度があるんですヨ。
それは 「自分たちの国を守るのは自分たちだけだ」 という、しごく当たり前の考え方があるからでしょ?
昔、どこの国だったか忘れたがクーデター騒ぎが起きた時。
日本以外の政府は、自国民救出のために次々と民間機をチャーターして飛ばしたと言うのに我が日本のフラッグキャリアであった日○航空は 「乗員の安全が保証できない」 として組合がチャーターを拒否。
航空自衛隊の輸送機も 「納得いく説明と国会での慎重な論議」 のためか、一向に飛ばず。
空港で日の丸をつけた航空機の飛来を一日千秋の思いで待っていた我が同胞たちは、あまりの情けなさにみな涙したという。
ちなみに某日○航空の組合は 「空の安全を守るために」 ということで、乗員の健康維持、疲労回復のため機長からスッチーに至るまで、ハイヤーでの空港送迎を会社に要求、そしてそれはそのまま実施された、と。
ちゃんちゃん