Zure Zure 日記

瑣末な日常を Zure た視線でやぶにらみ

定年旅行 1.西日本編 その1 呉市海事歴史科学館 大和ミュージアム(2)

大和を堪能したところで、ここで絶対に見たかったもうひとつの展示室に向かう。

 

零戦のコックピットに触れられたコメントをいただきました。その画像もありますので追記します。

零式艦上戦闘機 いわゆる零戦

ここに展示してあるのは、62型であり、最後期の部類に入るのだろう。

 

第一印象はデカッ!

大和のデカさはわかっていたことなので、さほどの驚きもなかったが(驚いたけど・笑)、この零戦の大きさにはやや驚いてしまった。

 

零戦開発当時、初型機の木型検査(メーカー、発注主が共同で行う実寸大のモック検査)の際は海軍のパイロットが口を揃えて『大きいな…』とつぶやいたという記録がある。

『小型・敏捷』というイメージがある零戦だが、登場当初はやはり大きく見えたのかも知れない。

 

零戦本体が大きいのだから、搭載されたエンジンもこれまたデカい。

このあたり、プラモデルを作っていると逆にスケール感が違ってくるのかも知れない。

自転車乗りの距離感が常人と違うのと同じかも(いや、違う・笑)

 

射撃照準器

 

主翼に格納された30mm機関砲。

15mmでさえ、かすっただけでも人間の身体など木っ端微塵になってしまうほどで、この30mmという大口径は脅威であったろう。

 

零戦の特徴のひとつとして、敏捷な運動力の割には重武装ということが挙げられる。

機首に7.7mm機銃2丁、主翼にこの30mm機関砲2丁を装備しており、戦争末期には爆弾を抱えた爆装戦闘機として悲壮な出撃を重ねることとなった。

 

特殊潜航艇『海龍』

「潜航」する「特殊」な船。

つまり特攻兵器。

 

同フロアには、やはり特攻兵器として知られる『回天』の展示もあったが、戦後80年近くが経とうとしている今、この大きな黒い潜水艦が果たしてどのようなものであったのか、知る人の方が少なくなっているのだろう。

『大和』には悲劇的な末路を辿ったものの、世界最大の戦艦という、どこか華やかなイメージがあるのかも知れないが、しかしこうした非人道的な兵器(兵器と言えるのか、は別問題)も同時に存在しており、20才そこそこの多くの若い人たちが犠牲になったことも事実である。

大和ミュージアムにこうした兵器が並行展示されていることの意味を、ミュージアム側はもっと声を大にしてもいいように思える。

 

大和ミュージアムの見学が終わるころ、雨はすっかりと上がり、雲の切れ間に青空が広がっていた。

気温もどんどん上昇し、ムシ暑さも急上昇(汗)

 

海上自衛隊呉史料館 通称『てつのくじら館』

この巨大な潜水艦は『あきしお』

とにかく巨大です。

 

全長76mあり、写真では伝わりにくいだろうが、現物を目の前にすると、その存在感に圧倒される。

 

しかし大和の全長は263m

この潜水艦の3倍以上あるわけである。

 

人が乗っている大和の写真としては、かなり珍しいそうだが、これだけでも、その大きさは垣間見えるが『この潜水艦の3倍以上…』と考えた時、その全容は想像もできない。

 

何と入場無料です。

 

展示は機雷の除去(掃海)から始まって、海上自衛隊の各種活動や潜水艦の紹介など、盛りだくさんの内容であったが、機雷除去は、機雷の性能向上と除去方法の発達のイタチごっこだそうで、今も最後は人の手による除去が行われているそう。

人力による除去とは、まったく知らなかった。

除去活動の際に殉職された方も数多くおられるそうです(黙祷)

 

さて、さきほどのあきしおだが、この展示館からあきしお内部への見学ができるので、さっそく入ってきた。

 

入り口から入ってすぐ。

 

あの巨大な艦体から思うと、意外なほど内部は狭い。

 

大柄な乗組員でも十分に横になれそうな大きさではあったが、やはり相当圧迫感がある。

特に下段の人は辛そうだが、日頃の厳しい訓練の疲れなどで、すぐ寝ちゃうんだろうネ。

これで眠れないようでは、サブマリーナにはなれないのだろう(笑)

 

士官公室

艦長を上座にして士官たちが座る、映画でもよく見るシーン。

 

艦長室

この潜水艦で唯一の個室だそう。

それでも枕元には各種計器が並び、ゆっくり寝ていられることもないんだろうナァ…

 

 

公開された部分は、全体のごくごく一部なのだろうが、それでもやっぱり狭いです。

映画『クリムゾン・タイド』で、副長役のデンゼル・ワシントンが自らが乗り組んでいる原子力潜水艦の中をジョギングするシーンがあるが(笑)、そんなん考えられない。

もっともディーゼルエンジンの潜水艦と原子力潜水艦を比べても意味ないのだろうが。

 

ちなみに、聞いた話では、アメリカ海軍の原子力潜水艦にはプールやサウナもあるそうだが、ホントかネ(笑)

 

すっかり 腫れ上がり 晴れ上がり、雨と海辺の湿気というダブルパンチの中、汗だくで大和波止場を歩く。

 

対岸にはジャパンユナイテッドマリン社の呉工場、つまり旧『呉海軍工廠

 

当時の本や小説などを読んでいると、必ず『呉海軍工廠』が登場する。

佐世保の海軍鎮守府、瀬戸内の柱島泊地と並んで、海軍を象徴する場所のひとつであり、ずっと来たいと思っていたが、やっと来ることができた。

 

ここで大和を始め、多くの海軍艦船が建造され、世に送り出されたのかと思うと、感無量。

遠くから眺めるだけで満足です。

 

さて、今朝は始発電車で東京駅に向かい、呉に来て、歩き通し。

まじめにリハビリに通ったせいか、脚の具合も相当いいのだが、まだ旅行は始まったばかりなので、そろそろ引き上げよう。

 

ホテルに戻り、しばらく小休止。

夕飯をどうしようかと思ったのだが…

 

(笑)

 

結局、こうなりました(笑)

ひとり旅って、気ままでいいんだけど、メシの時の話し相手がいないよネ。

 

さ、明日もあるから早く寝よう。