このブログでも何回か触れてきたが、河口慧海師は明治の頃の求法僧。
15歳の時に釈迦伝を読んで発心、25歳で出家し、生涯を信仰に捧げた人である。
人によって解釈の異なる漢訳経典に飽き足らず、原典を求めて、当時固い鎖国政策にあったチベットに4年の歳月をかけてたどり着いた。
チベットの首府ラサで勉学に励み、わずかに持っていた医療の知識を持って、多くのけが人や病人を無償で治療し、ダライ・ラマ13世から何度も謁見され、大きく称賛された。
帰国後、師が表した『チベット旅行記』は、ユーモアに溢れた軽妙洒脱な文章で綴られ、当時のベストセラーになったそう。
オレはこの本を学生の時に読み、人の心をそこまで動かす信仰の強さと恐ろしさを感じるとともに、師の固い意志を保つ強靭な精神に感動し、勝手に『人生の師』としている(笑)
長女には師のお名前から一字を(これまた勝手に・笑)いただき『慧(けい)』と名付けた。
ちなみに次女は『惟(ゆい)』で、どちらも仏教に深く根ざした字であるが、かんじんの親父には信仰心のかけらもないという(笑)
今年は師の帰国から120年を迎える。
それを記念し、東京国立博物館で企画展が行われるので、師にお会いするとともに東洋館に収蔵された仏たちにも久しぶりに会ってこようと思い、酷暑の中、汗だくになって行ってきた。
いきなりですいません(笑)
こちらも久しぶりの一蘭。
相変わらず、とんこつラーメンのお手本のような逸品で美味しくいただきました(^^)/
もちろんビールにもイキたかったのだが、師と仏に会いに行くというのに、さすがにアルコールはダメだろうと思い、ガマンした(笑)
それならラーメンのような腥(しかも豚骨・笑)もガマンすべきかも知れないが、オレの中ではラーメンは腥ではないので、全然いいのである(^^)b
今日も平和な上野の山。
死ぬほど暑いけど。
なんかやってた。
檀木釈迦如来立像。
高村光雲作。
勢力争いや檀家拡大に血眼をあげる宗派仏教に嫌気がさした師は、大正10年55歳の時に還俗、自ら在家仏教を起こす。
その時の御本尊として、この立像が祀られたそうだ。
釈迦如来坐像。
無量寿仏像。
『特集』とは言え、本館の一室のみの展示という、ちんまりしたものなので、10分ほどで見終わってしまった(笑)
ひさしぶりの東洋館。
ここの1Fの仏たちは、みな、本当にいいお顔をされており、何回来ても飽きない。
菩薩五尊像。
如来三尊立像。
普段はほとんど人けのない東洋館だが、この日は少し人が多いような。
しかし、そのほとんどが外国人観光客で、日本人らしき姿はあまり見かけなかった。
平日の昼間なので当然と言えば、当然だが。
上野の山は、その8割ほどが外国人観光客だった。
それ自体は歓迎すべきことであるが、各地で問題となっているオーバーツーリズムが心配されてならない。
旅行業界に30年あまり籍を置き、若いころは添乗員としてあっちゃこっちゃ行ってたオレが言っても説得力ないけど(笑)