Zure Zure 日記

瑣末な日常を Zure た視線でやぶにらみ

第一発見者

女房と昼ごはんを食べ、子犬と散歩に出かけた。

江戸川の土手に行こうと思い、道を歩いていると、ふと前のゴミ収集ボックスの裏から、何だか人の足らしきものが見えた。

 

( ・ω・)…?

 

近寄ってみると、おじいさんがゴミ収集ボックスの裏に横向きになって倒れていた。

 

( ;・ω・) エ…?

 

ちょうど住宅造成工事の現場のすぐ横であり、まだ午後1時前ぐらいだったので、あるいは工事の人が昼寝でもしているのかと思った。

 

というのも、現役時代、天気のいい日の昼休みなど、よく会社近くの多摩川をブラブラ散歩してたことがあり、その時もあたりの労務者諸君が多摩川の橋の下で昼寝している光景を眼にしたことがあったからだ。

 

面白い絵面なので、写真を撮っていた(笑)

 

が、それにしても倒れ方が不自然なように思え、近くで作業していた人を呼び、この人は工事現場の人か、と聴いたところ、違う、見たことない、と。

その人も上役らしき人を呼び、オレを含めて数人で囲んだが、どう見ても尋常ではないので、救急車を呼ぶことになった。

 

工事の人が救急車を呼び、この状況からオレが第一発見者ということになりそうなので、しばらく待機。

ほどなく救急車とレスキュー隊、警察が到着。

 

そこで初めて倒れているおじいさんの顔を見たが、まったく知らない人。

すでに顔色は薄い土色になっており、生気がまったく感じられないので、すでに亡くなっているようだ。

 

警察官に見たままを話し、オレの氏名、住所、連絡先なども聞かれるままに答える。

ご職業は? と聞かれ『無職』です、と答えたところ、その警察官の眼がちょっと光ったような気がしたので(笑)、慌てて『定年退職したので』と付け加えておいた(笑)

 

もうオレには何もすべきことはなく、工事の人も作業を再開し始めたので、何人ものいかつい警察官に囲まれてワンワン吠えるバカ犬を抱えて家に帰る(笑)

 

それから2度ほど警察官が来て、さらに詳しい事情を説明し、現場検証に立ち会ってほしい、とのことだったので、ワンワン吠えるバカ犬は家に残して現場に行く。

『現場』と言っても、ウチから目と鼻の先であり、まさかこんなところでこんなことになるとは夢にも思わなかった。

 

その時点で、すでに身元は判明していたようで(恐るべし、日本の警察)、そのおじいさんの息子さんが病院で『父です』と確認したらしい。

そのおじいさんの自宅は、ウチの近所、とは言えないものの、さほど遠いところでもないのだが、ついぞ見かけたことがない、まったく知らない人だった。

 

事情はわからないし、別に知ろうとも思わない。

もしかしたら、徘徊したまま家に帰れなくなり、何とか自宅そばまでたどり着いたものの、ゴミ箱の裏で息絶えたのかも知れない。

もし、そうだとしたら、何と哀れな終焉であろう。

 

救急車や消防車のサイレンを聴きつけて、外に出てきたご近所さんと、少し立ち話をした。

去年、病気をして以来、自分の名前や連絡先を記したカードや保険証のコピーなんかをいつも持ち歩いているんですヨ、と話したら『それはとても大事なことです』と褒められた(笑)

 

これは保険証のコピーだが、この裏には住所、氏名、連絡先、血液型や既往歴、服用薬などを書いたカードを入れている。

これを何枚か作り、いつも持ち歩くショルダーバッグや旅行に使うリュックなどに入れている。

 

どこでどうやって死んでも、家族やまわりの人にそれなりの負荷をかけてしまうことは確かだが、こうしておけば、家族にもいち早く連絡が行き、変な心配をかけることもないだろう。

 

-----

どこのどなたか存じませんが、ご冥福をお祈りします。

 

 

=====2023/11/15追記=====

その後、ご近所さんから聴いた話しでは、このおじいさんは、やはりこの近くに住んでいる方で、ゴミを捨てに行った時に急性心筋梗塞で倒れ、そのまま、ということらしい。

徘徊などではなかったわけだが、どちらにしても痛ましい亡くなり方であったことに変わりはない。

 

改めて、ご冥福をお祈りします。